ロスト・イン・トランスレーション
ビル・マーレイが、とても外国人ぽい・・・
スカーレット・ヨハンソンと一緒に、日本人は○○とか、
しゃぶしゃぶは最低の料理だとか言ってる姿は
そこらに居る外国人に対する違和感と同じ感じを受ける。
外国人だから当たり前のことなんだけど、そこから、
この映画に流れる歪みにすんなりと入っていける。そういう
仕掛けがこの監督は得意なのか、自分が単に同調しちゃうのかは
わからないけど。
社会の中で、身の振りを考えたり、正しい事だけではない
対人関係のなかでうまく対処していくとき、未だに
疑問を払拭できずに、無理に押し込む自分が居る。
年をとったら慣れていくはずだ、と宥めながら。
でもきっと、それは慣れるわけではないのではないか。
押し込め方がうまくなるだけなのでは?
「年をとったら慣れていく?」
22歳で結婚したばかりの女性に、忘れられた映画スターが
話す愛情の話。それは子供を持つ人間の事実ではあるが、
それを確かな答えとしては話していないように見える。
この女性が持つ、世間と自我との軋みと同じものを含んでいて、
そこが二人の何ともいえない距離に繋がっていそうだ。
息苦しいくらいに切ない。
ところで、この映画に出てくる東京の街並み、
東京出身の方はどう見えただろうか?
自分が初めて東京の街を見た感想、実は
「楽しすぎて二度と行きたくない」
という映画のセリフと全く同じだったんです。
今ではあまり気に留めないけど・・・